八部衆

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超人的パワーを持つ鬼人でインド神話に登場する、・竜(ナーガ・Nāga龍王 インド神話では龍ではなく地下に住む人面蛇尾の神であるがコブラ・蛇は、「舎利弗問経」「法華経譬喩品」「金光明経」を典拠としており、龍人八部衆・天竜八部衆などとも呼ばれる。
八部衆とは人数ではなく八部族すなわち八の衆団を意味する、また内容に相違があるが「仁王護国般若経」にも登場する、因みに鬼神達の中でも天と竜のパワーが強大な為に命名された。
源流はインド神話やヴエーダ聖典gvedaに現れその成立は古く日本に於いての記録は650大安寺の繍佛が最古とされる、釈尊の説法を妨害するバラモンの邪悪な神であったが、説法を聞く間に仏門に帰依して釈迦の眷属、即ち守護神となる。
興福寺
の八部衆が十大弟子と共に日本の代表傑作である、異説として二十八部衆の一部ではとの説も言われるが興福寺曼荼羅図(重文・京都国立博物館所蔵)よれば西金堂内の状況を八部衆に画かれており西金堂内に置かれていたと考えるのが妥当で二十八部衆は相応しくない。
興福寺の場合734年百済の渡来人の子孫、万福により十大弟子像と共に制作された像で、特に阿修羅像は日本人に於いて一番慕われている像と言える。
名称は諸説があるが法華経・第二比喩品や金光明最勝王経の例を挙げると
・天(Deva・ダイバ、提婆との記述ともされる)
・夜叉(Yaksy・ヤクシャ、捷疾鬼(しょうしつき)・羅刹とも言い空を飛ぶ毘沙門天の眷属
・乾闥婆(Gandharva・
ガンダルバ・けんだつば、香を食し帝釈天の眷属、四天王・持国天の眷属とも言われる,医薬に精通)
阿修羅(Asura・アスラ、釈迦如来に帰依する前は帝釈天を絶えず戦闘を繰り返した、輪廻に世界では人間界の下に位置している)
・迦楼羅(Garuda・ガルダ・かるら、インド神話に於いて巨大な架空の鳥で文殊菩薩の化身
・緊那羅(Kimnara・
キンナラ、半獣半人の神・鳩槃荼と同尊)
・摩羅迦(Mahoraga・マホーラガ、大蛇の神
とされる、名称・姿は特に定まりはないとされ興福寺の場合を示すと以下のようになる、興福寺の像は法華経・第二比喩品の呼称と異なるが寺側の解釈は、五部浄~天、 沙羯羅~竜、 鳩槃茶夜叉、 畢婆迦羅羅迦と同尊としている、但し観音菩薩・佐久間瑠理子著・春秋社に依れば梵語(saṃskṛta)原典の記述には夜叉・乾闥婆の二尊である。
八部鬼衆と言われる団があり四天王に奉仕する団である、八部鬼衆とは・乾闥婆・毘舎闍・鳩槃荼・薛茘多・那伽(龍)・富單那・夜叉・羅刹が言われる。

興福寺の八部衆(国宝)   脱活乾漆  149,1cm160,3cm   五部浄の下半身は欠落48,8cm

1, 五部浄 (天) ベーダ聖典に於ける神々のシンボル 

2, 沙羯羅(サカラ・竜)  蛇を神格化した神  

3, 迦楼羅(カルラ)    伝説上の怪鳥  

4, 鳩槃茶(クバンダ・夜叉) 

5, 阿修羅 

6, 乾闥婆(カンダツバ) 天上の楽師

7, 緊那羅(キンナラ) ヒマラヤ・クベーラ神の住人

8, 畢婆迦羅(ヒバカラ・摩ご羅迦)である  蛇を神格化した神。  


930日八部衆の特徴 2014年6月24日舎利弗問経加筆

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