阿含とは梵語(saṃskṛta)及びパーリ語(Pāḷi)
伝統仏教すなわちメインストリーム仏教(mainstream buddhisn)、初期(原始)仏教は法(教え(教説)・buddha-śāsana)と律(規則・(vinayaヴィナヤ)を説く事で成立した、釈迦の教えの中で経典に相当する部分の総称を言う。
漢訳四阿含経と言われる経典が著名である。
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・中阿含経(majjhima-nikāya, マッジマ・ニカーヤ)(222巻)
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雑阿含経相応部(Samyutta-nikaya サンユッタニカーヤ)
・相応(増一)阿含経(aṅguttara-nikāya,
アングッタラ・ニカーヤ)(473巻)等から部派の分裂から分散している、因みにニカーヤ(nikaya)とは集成、グループ的な意味合いとされる。
これ等漢訳経典(大乗・Mahāyāna)は完全な伝承形態で保管されていないが、上座部仏教国(theravāda)のスリランカ等では完全な形でPāḷi語経典が保管されているという。
釈尊の教えを主体に構成されているが、インドに於ける土着思想から釈尊の説いた教えには記述はされておらず、それぞれの記憶によるものである、その為に教理の解釈をめぐり部派仏教
但し釈尊が説法に用いたのは古代インドに於けるアーリア語の一種であるマーガディー(Māgadhī マガダ語)語との説がある、系列的にはバーリ語(Pāḷi)に近いとの記述もある。
阿含経の「相応部」によると、法は縁起(pratītyasamutpanna-dharma)によって作られると言い「縁已生法」(paṭiccasamuppāda パティッチャサムッパーダ)を説いている、縁已生法とは「縁起から生まれた法」であり、ダルマが縁起(パティッチャサムッパーダ paṭiccasamuppāda)から作られると言う。
阿含経の主な教えは三法印的な教義すなわち「諸行無常」 「諸法無我」 「涅槃寂静」 「四諦」 「八正道」 「十二因縁」(注1)などを言う、また他に涅槃には無余涅槃、有余涅槃がある、無余涅槃は煩悩+生理的欲求共に残さない場合を言い、有余涅槃は生きながらの覚りで小乗の覚りとも言われる、因みに涅槃とは梵語(sanskrit)でnirvāna、パーリ語(Pāḷi語)では nibbanaと言い煩悩の火を般若prajñāで吹き消す意味である、但し三法印は大乗仏教に於いてバラモン・ヒンドウー・ジャイナ教の様な外道と一線を隔す為に言われた基本理念で小乗、部派に於いて思想として著されるが三法印と言うタームは使われない、閑話休題、「無我」と「無常」は異音同義と言える。
阿含は経蔵
Sutta‐pipaka と律蔵 Vinaya‐pipaka、に分類される、仏教初期に於ける上座部仏教
釈尊の最晩年は「大般涅槃経(注2)」に詳しいが、阿含経の「遊行経」にも記述されている因みに涅槃とはニルヴァーナ(nirvāṇa)と言いニルは「外へ」、ヴァーナは「吹き消す」を意味する
雑阿含経に釈尊が五蘊(注3)の重さを説かれている、即ち佛教に於けるpāli語経蔵を構成する相応部(pāli語 Saṃyutta Nikāyaサンユッタ・ニカーヤ)とは、三千の経典を五篇に纏めたものである、「相応」(saṃyutta、サンユッタ)とは、「テーマ別のまとまり」のことを言う、・有偈篇(Sagātha-vagga, サガータ・ヴァッガ) ・有偈篇(Sagātha-vagga, サガータ・ヴァッガ) ・因縁篇(Nidāna-vagga, ニダーナ・ヴァッガ) ・蘊篇(Khandha-vagga, カンダ・ヴァッガ) ・六処篇(Saḷāyatana-vagga, サラーヤタナ・ヴァッガ) ・大篇(Mahā-vagga, マハー・ヴァッガ)。
「三道宝階伝説」の内、釈迦如来像との関連は優填王造仏像伝説が「増一阿含経」巻28(大正大蔵経2,705c~)、優填王物語の思慕像に関する記述は著名である
注1、「三法印」「諸行無常」「諸法無我」「涅槃静静」「四諦」「八正道」「十二因縁」に付いては 釈尊の教えを参照、因みに諸行無常(saṃkāra・サンカーラ)
諸行無常とはこの世の現実存在はすべて、すがたも本質も常に流動変化するものであり、一瞬といえども存在は同一性を保持することができないことをいう、一刹那に於いても存在に同一性は無い。
注2、大般涅槃経 大パリニッバーナ経 (Mahāparinirvāṇa Sūtra マハ-パリニルヴァ-ナ ス-トラ) には阿難陀に記憶によるであろう仏陀の最晩年から、入滅後の様子が赤裸々に記述されている。諸行無常が出たついでに蛇足する、平家物語の冒頭にある「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色
注3、
1、 色 (身体を構成する5の感覚器官・5根)ルーパ rûpakkhandha 感覚的物質的 視覚に移る形造られたもの
3、 想 (知覚作用) サンジュニャー saññâkkhandha 表象 心の内に像を構成する
4、 行 (意思・真理作用) サンスカーラ sankhârakkhandh 意志 潜在的形成力
因みに「蘊」とは集合体を意味する。 認識作用に五根があり眼識・耳識・鼻識・舌識・身識がある。
巷間で言われている「薀蓄がある」「うん(沢山)とある」等に使われる。
2008年5月2日 2011年4月24日abhidharma更新 2013年6月7日 2015年1月24日 7月3日 2016年10月28日 2017年6月19日 12月17日 2018年2月19日 6月10日加筆