梵網経

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梵網経は二系統が存在する、上座部佛教(部派佛教theravādの「梵網六十二見経」もpāli語経典に存在するが、、中国撰述経典(偽経)で五世紀頃に成立した鳩摩羅什訳とされる「梵網経盧舎那仏説菩薩心地戒品」第十の略称で大乗Mahāyāna宗派で読まれている。

聖武天皇が最も信仰した経典で、鑑真和上がら授けられた仏法のテキストであった経典とも言われている。
梵網とは「大梵天王の網羅と幢を観る----」と記述される様に梵天が救済に使う網を言い、網の数ほどの法があると言う。
梵網経の偈文、「戒如明日月(かいにょみょうにちがつ) 亦如瓔珞珠 (やくにょようらくしゅ)(戒は明るい日月の如く、また璦珞の珠の如し)」毘盧舎那仏が蓮華蔵世界の蓮華座に座し、周りの蓮華には千の釈迦仏が座し釈迦の周りの蓮華に百億の仏の国があり、そこに一尊の釈迦仏があり、有縁の衆生を導いた釈迦の個々が毘盧舎那の許に集合する。

主題は釈尊が毘盧遮那仏に代わり梵網経を説く設定がなされている、僧尼に対する戒、律、儀に必須とされる仕様書的な経典である、世界や十重戒や四十八軽戒等々、菩薩の必須科目に四十のランク(心の段階)が付けられている、即ち「十発趣心」「十長養心」「十金剛心」「十地」等が説かれている、在家戒すなわち父母、師僧、三宝に対する孝順に拘りを見せ、中国天台宗の「菩醍戒義疏」等が知られている、因みに唐招提寺の毘盧遮那仏は梵網経を依経として造像されている。     爾時盧舍那佛。為此大眾。略開百千恒河沙不可法門中心地。如毛頭許。是過去一切佛已。未來佛當。現在佛今。三世菩薩已學當學今學。我已百劫修行是心地。號吾為盧舍那。汝諸佛轉我所。與一切眾生開心地道‐ ‐ ‐ ‐‐ ‐ ‐ ‐
(その時盧舎那仏」は百千恒河沙Ganga不可説の法門中の心地を‐ ‐ ‐ ‐ ‐‐ ‐ ‐ ‐) *恒河沙とは10521056即ち∞を言いう、梵語の gagānadīvālikāsamānās(ガンガー・ナディー・ヴァーリカー・サマーナース)の漢訳とされる。
梵網菩薩戒経に記述される戒律の関連は「戒如明日月 亦如瓔珞珠」即ち戒は明るい日月の如く、また璦珞の珠の如しとある。

我今廬舎那(がこんるしゃな) 方坐蓮華臺(ほうざれんげだい) 周匝千(しゅうそうせん)華上(げじょう) 復現千(ふーげんせん)釈迦(しゃか) (いっ)()百億(ひゃくおく)(こく) (いっ)国一(こくいっ)釈迦(しゃか) 各坐(かくざ)菩提樹(ぼだいじゅ) 一時(いちじ)成仏(じょうぶつ)(どう) (にょ)()千百億(せんひゃくおく) 廬舎那本(るしゃなほん)(しん) 千百億(せんひゃくおく)釈迦(しゃか) 各接(かくしょ)微塵(みじん)(しゅう)     -------- 戒如(かいにょ)明日月(みょうにちげつ) 亦如(やくにょ)瓔珞(ようらく)(しゅ) 微塵(みじん)菩薩(ぼさつ)(しゅう) ()()(じょう)正覚(しょうかく) 是廬舎那誦(ぜるしゃしゃなじゅ) ‐‐‐‐‐‐ 。

「三師七証」による「三聚(さんしゅ)(じょう)(かい)(しょう)律儀(りつぎ)(かい)(しょう)善法(ぜんほう)(かい)(しょう)衆生(しゅじょう)(かい)と梵網経の十重禁戒、四十八軽戒との関係は深い、因みに三師七証とは 戒を授けるチーフの・戒和上、白四羯磨の文を読む・羯磨阿闍梨、威儀と作法を教える・教授阿闍梨と立ち合いの七人の証人を言いう、但し証人の数は柔軟性がある。 


比丘、比丘尼を護る為に、十重禁戒が説かれ以下の様になる、中国天台に於いて智顗~荊渓湛然(けいけいたんねん)の頃から「十誦律」「四分律」に代わり用いられる様になる。

*不殺生戒――すべての生き物は、これを殺す事なかれ。

*不偸盗戒――与えられない所の物は、これを取る事なかれ。

*不婬戒―― 一切の婬事は、これを為す事なかれ。

*不妄語戒――嘘やデタラメは、これを言って人を詐す事なかれ。

*不飲酒戒――酒は正気を損なうが故に、これを飲む事なかれ。

*不著華鬘好香塗身戒――装飾品及び香で身を飾る事なかれ。

*不歌舞倡伎亦往観聴戒――歌舞音曲を行い観聴す事なかれ。

*不得坐高広大床上戒――高広なる大床の上に坐す事なかれ。

*不得坐高広大床上戒――高広なる大床の上に坐す事なかれい。

*不得捉銭金銀宝物戒――金銭、金銀、宝物を畜える事なかれ。


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2013530日 2014年8月9日更新

 



 

 

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