正式名称は
内容は顕浄土真実教行証文類序 (総序)から顕浄土真実教文類一(教巻)、 顕浄土真実行文類二(行巻)、行巻の末に「正信念仏偈」(「正信偈」)と言う偈頌がある、 顕浄土真実証文類四(証巻)、 顕浄土真仏土文類五(真仏土巻)である、因みに浄土真宗の立教開示と教行信証の起草とは1224年(元仁元年)で時を同じくしている。
教行信証に於ける最大の要諦は * 阿弥陀如来の本願に委ねる、 *阿弥陀の菩薩時代の願に感謝、信ずることにある。
浄土真宗(真宗)とは大無量寿経の「教え」を指す言葉すなわち「真実の教え」であると親鸞は言う、即ち教巻では大経が釈尊の真実の教えと説く、行巻では念仏の行が覚りに繫がると説く、信巻では弥陀の本願を信ぜよと説く、証巻は教行信の証果を説く、更に真仏土巻・化身土巻では真実の浄土と方便の浄土の比較を教えている。
教行信証(第一巻 教巻)には穢土と極楽との往復搭乗券の記述がある、・無量寿経(第二十二巻 還相回向の願)・中国浄土五祖第一の曇鸞(476~550年頃年)による浄土論註(往生論註)に依れば「二種廻向」即ち「往相廻向」と「還相廻向」がある、親鸞は言う、「つつしんで浄土真宗を案ずるに、二種の回向あり、一つには往相、二つには還相なり。往相の回向について教行信証あり」。 (謹*按↢浄土真宗↡有↢二種廻向↡。一者往相、二者還相。就↢往相廻向↡有↢真実教行信証)
親鸞の崇拝する七高僧すなわち龍樹・世親・曇鸞・道綽・善導・源信・法然達の哲学を参考に浄土に往生出来る修法を記述した書である。
極楽往生の修法の内大無量寿経を最優先に挙げている、法蔵菩薩の48の誓願を信じて阿弥陀如来の名号を唱える事であると説く、「他力と言うは 如来の本願力なり」である。
真宗・浄土真宗に於ける「根本聖典」的な偈頌であり、通常呼ばれる略称は浄土真宗本願寺派(西)では「御本典」と言い、真宗大谷派(東)では「御本書」と呼ばれている。
最大のポイントは別項目で記述するが、蓮如が広めた顕浄土真実行文類二の一行七文字、百二十行の偈である正信偈にある、弥陀の本願を信ずれば極楽浄土に往生出来る、浄土往生がきまった者は名号をとなえて仏恩を感謝すべきとある。
正信偈は浄土真宗八世・蓮如の時代に「六時礼讃」(注3)に代わって「三帖和賛」(注2)と共に創められた偈である、「本願に目覚めた透明な心で、ただ念仏、そこに正信がある」とされる、因みに正信念仏偈は六時礼讃を参考として著された偈である。
親鸞の自筆本は国宝指定を受けて「坂東本」と言い東本願寺(真宗本廟)に存在する、また写本は西本願寺(本願寺)や高田派専修寺にある。
。
真宗教団立教開宗の根本聖典である主著
注1、西本願寺の正式名称は浄土真宗本願寺派の「本願寺」であり、東本願寺の正式名称は真宗大谷派の「真宗本廟」と言う、因みに各地方に存在する別院(東別院・西別院)は、地方名を冠にする**教区であり、寺院名を持つ別院と持たない別院がある。
注2、三帖和賛とは親鸞作の「浄土和讃」「高僧和讃」「正像末和讃」の三作をいう。
注3、六時礼讃とは、浄土教における法要、念仏三昧行に読経される、善導による「往生礼讃偈」正式には「観一切衆生願生西方極楽世界阿弥陀佛国六時礼讃偈」を参考にして一日を日没から正午まで六分割して、読経、念仏及び礼拝するものである。
2015年6月26日 2017年6月19日加筆