山号を妙見山と言い、法淋寺・法琳寺・三井寺とも呼ばれる、創建縁起は二説あるが山背大兄王と由義王が聖徳太子の病平癒を願って創建したと伝えられる説を記述しておく。
推古九年法隆寺が全焼した際に法隆寺再建に先立って建てられたと言う、創建時法輪寺本堂の本尊と思惟される薬師如来坐像と伝虚空蔵菩薩立像は飛鳥様式を残しており、特に薬師如来は現存する内に於いて日本最古の薬師如来像と言えよう、また最古の木造による如来でもある。
法輪寺は7世紀後半頃には寺観が整備されたと思惟される、従って伽藍配置も法隆寺と同じ配置で規模は法隆寺の2/3程である。
室町時代までは七堂伽藍を備えていたが1645年台風で倒壊し復旧が為されたが1944年落雷により創建時の堂宇は全て消滅した。
現在の総高24,00mの三重塔は良質な日本桧が底をつく中で台湾桧を採用して閨秀作家・幸田 文氏等の尽力もあり1975年創建時の姿を再現した。
法輪寺の秘仏に妙見菩薩があり4月15日の妙見会式に開扉される、
宗派は興福寺の末寺すなわち法相宗から真言宗を経て、現在は中宮寺や法起寺と共に法隆寺末の聖徳宗である。
法輪寺は1993年12月、「法隆寺地域の佛教建造物」として法隆寺、法起寺と共に、日本に於ける第一号の世界文化遺産の指定を受けている。
所在地 奈良県生駒郡斑鳩町三井1570 宗派 聖徳宗 ℡ 0745‐75‐2686
注1、三井の地名は古くから言われており、聖徳太子が飛鳥から三つの井戸を移したと言う伝承がある。
注2、奈良県には著名な十一面観音を安置する・海龍王寺 ・西大寺 ・法華寺 ・聖林寺 ・大安寺 ・法輪寺 ・長谷寺 ・室生寺の八寺が参加した大和路 秀麗 八十八面観音巡礼と題したホームページが作られている。
法輪寺の文化財 ●印 需要文化財
●薬師如来坐像 木造(楠一木造)彩色 像高110,2cm 白鳳時代
●虚空蔵菩薩立像 木造彩色 像高175,4cm 白鳳時代
●十一面観音立像 木造彩色 360,0cm 藤原時代
●地蔵菩薩立像 木造彩色 150,3cm 藤原時代
●聖観音立像 木造彩色 157,3cm 藤原時代
●釈迦如来坐像 木造 86,5cm 藤原時代
●吉祥天立像 木造彩色 171,3cm 藤原時代
その他妙見堂に秘仏・妙見菩薩がある。
最終加筆日2005年1月1日 2006年11月1日 2015年12月31日