十輪院

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正式名称を雨宝山十輪院と言い、寺名は「地蔵十輪経」から銘々され創建当初は飛鳥坊・南光坊と呼ばれ元興寺の子院であった。
寺伝に拠れば元正天皇の勅願寺で平安初期の医師・書家、朝野(あさの)魚養(なかい)の開基とするが聖宝の関与も伝えられており定かでは無い、鎌倉時代には東大寺傘下の福地院・知足院等と共に南都に於ける地蔵霊場として著名であった,。
十輪院の見所は国宝指定を受け瀟洒な佇まいを見せる本堂と、重文指定の地蔵菩薩を本尊とする石仏龕であろう、 また境内の池周辺には観音菩薩不動明王などの石像が点在している。
石仏龕の内部は御影石で造形され、石幡には金光明最勝王経法華経(はつ)られている、末法の時代に弥勒菩薩の出現までの56億7千万年を地蔵菩薩が救済を担当する信仰から作られた(がん)で、寺名の由来に因んだ本尊・地蔵菩薩を中心に多くの仏像が斫りされている、鎌倉時代仏教中心の説話集・沙石集(しゃせきしゅう)には福智院・地足院の地蔵菩薩と共に紹介され古くから信仰されている。
十輪院の宗派は前述の元興寺の末寺を経て、興福寺の支配を受けていたが、現在は真言宗醍醐派の寺である。 
         


真言宗
醍醐派          所在地   奈良市十輪院町27         п@0742266635  

十輪院寺の文化財     〇印は国宝    ●印重要文化財 

本  堂  桁行5間・梁間4間  寄棟造 本瓦葺  鎌倉時代

不動明王立像(三尊) 木造 不動明王98.0cm 矜羯羅童子45.3 制咤迦童子46.0cm  藤原時代 

●石仏龕 石造 彩色 242.5cm 鎌倉時代 (信仰の中心尊・地蔵菩薩を囲んで釈迦如来・弥勒菩薩・四天王・仁王・宝塔などを浮かし彫り) 

●南門 四脚門 切妻造 本瓦葺 鎌倉時代


 

*毎月818・28日公開 *石仏龕 通常拝観否  公開日 11日―3日・毎月2223  

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