三室戸寺は兵火等で転地を重ね現在の堂宇は江戸時代の建立である。
光仁・花山・白河、三天皇の離宮とされた事から三室戸寺と銘々されたと言う、また御室堂、御室戸寺と呼称されていた時代もあった、十一世紀寺勢が衰えた時代に園城寺(三井寺)の隆明が復興に尽力した為、天台寺門宗の流れであるが、現在は本山修験宗の別格本山である。
宇治は交通の要衝であり平安貴族の浄土観想と別荘地であったが、江戸時代の火災で現在の堂宇群は新しく本堂は1814年の建築で・阿弥陀堂 ・三重塔 ・不動堂 ・経蔵・鐘楼等で構成されている。
西国三十三所霊場の第10番札所としての賑わいの他に、四季を通じての花の寺でもあり境内の景観は梅、椿、桜、躑躅や紫陽花、石楠花等々一万本超える花々が季節に応じて咲き乱れて素晴らしいものがある、これは補陀落浄土を花で飾る意図がある様だ、境内には枯山水・池回遊式庭園があり浮船之古跡や芭蕉の句碑がある、また11世紀頃の巡礼記には三室戸寺は結願寺すなわち33番目の札所と記述されている。
「山吹や宇治の焙炉の匂ふとき」。
現在は修験道場と観音信仰の寺として存在している、本尊は観音菩薩で秘仏である、また伝承であるが、竹取物語に於いて三室戸斎部が銘々したとされる「かぐや姫」所縁の寺とも言われ縁結びを祈願したお守りに人気がある様だ。
三室戸寺の主な文化財
● 阿弥陀三尊 木造漆箔 阿弥陀 87,7p 脇持101,0p 藤原時代
● 釈迦如来立像 木造彩色 切金文様 154,0p 藤原時代
● 毘沙門天立像 木造彩色 105,0p 藤原時代
● 十八神社 社殿 室町時代 他に 浮船観音(無指定)
本山修験宗 別格本山 所在地 宇治市菟道滋賀谷21 0774-21-2067