楞伽経    

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楞伽経(りょうがきょう)中期大乗仏教の内中核を為す如来蔵と唯識を説く難解な経典である、即ちインドの古典宗教であるバラモンを源流とする蔵識(ぞうしき)(唯識)の内にある、要するに人間の意識の根底にある阿頼耶識(あらやしき)ālaya-vijñāna及び如来蔵説との関連化した大乗起信論(だいじょうきしんろん)(注2)の先駆的経典である、四世紀~七世紀頃に成立した大乗佛教に於ける教典の一典で、梵語ではランカーバターラ・スートラLakāvatārasūtraと言い楞伽とは漢訳されたタームである(注1)、仏陀がランカー城に入って説いた経典とされる、中村元氏は日本の禅宗に多大な影響を与えた経典と言う、但し起信論は大乗哲学の中核説もあるが、大乗起信論の漢訳は二典真諦(しんだい)実又難陀(じっしゃなんだ)存在するが、梵語の原典やチベット語訳は存在せず中国撰述説が強い、禅宗系宗派は依経として楞伽経を採用していたと言う記述もある。   (真諦=Paramārtha パラマールタ) (実又難陀=Śikānanda、シクシャーナンダ)

 梵語原典のほかチベット語訳と三種の漢訳が現存する。 

漢訳を挙げれば、

求那跋陀羅(ぐなばっだら)Guabhadra訳「楞伽阿(りょうがあ  )()多羅(たら)(ほう)(きょう)  4巻、  

菩提流支(ぼだいるし)bodhiruci訳の「入楞伽経」10巻、

実又難陀(じっしゃなんだ)(Śikānanda)訳「大乗入楞伽経」10巻がある。
内容は多様であるが、その中心は五法(名、相、分別、正智、如如)、三性(偏、依、円)の八識(前六識、末那識、阿頼耶識)にまとめられ唯識派の典籍として重要視された、その他禅宗系密教的性格を持つことから真言宗や、後に阿頼耶識の関連か法相宗も採用している

「四種の禅」等々、非常に難解な経典で研究者の少ない、南伝佛教圏では九法宝典の一典に加えられている、但し依経としている禅宗系では大きな影響を受けているが勤行に於いて読経される事は無い。

古い話で恐縮ですが1954年、粋な黒塀 見越しの松に“あだな姿”の洗い髪 死んだはずだよ~――――春日八郎のヒット曲(お富さん)があるが、
阿頼耶識と同意のタームに阿陀那識(あだなしき)がある、梵語でadana-vijnana摂取を意味する

 釈迦が魔王ラーバナの要請を受けて、魔王の住むランカー城Laに入って説いたとされる大乗経典の一つで如来蔵哲学+唯識+バラモン哲学と多様性を帯び、如来蔵哲学に唯識及びバラモン哲学と多様性を帯びた非常に難解な教義であるが禅宗に於いて依経とされており、大きな影響を与えた経典である、但し現在は読誦されてはいない。

 五法すなわち名、相、分別、正智、如如に三性すなわち偏、依、円、に唯識の阿頼耶識を融合させ大乗起信論先駆としている、阿頼耶識に付いて脱線するがヒマラヤとは梵語でヒマhimaは雪を意味する、アーラヤalayaは住居or蔵を意味し、雪の住む処という意味でもある。
ランカーアヴァターラの内ランカーはスリランカの音訳が楞伽となる、スリは慶賀を意味する、ヴァターラは化身を意味し釈尊が訪れて法話を説いたとされる。    


1ランカーバターラ・スートラ(Lakāvatāra‐sūtraLaṅkāとはセイロン島スリランカを意味し、スリとは目出度いと言える、āvatāraは化身。


2、 大乗起信論とは略して起信論とも言い、内容を理論と実践に分類して説いた難解な論調を言う、梵語典、チベット訳も存在せず中国撰述説もある。

 


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