仏像案内 寺院案内
正式名称を青竜山瑞巌円福禅寺と言う、淳和天皇の詔勅を受け円仁により838年創建と伝えられるが、円仁が陸奥を訪れた記録は見られず一門の弟子による勧請開山の可能性が高い、因みに勧請開山とは師の法弟・法孫達による開山を師の開山とした寺を言う。
平安時代に創建された様で、当初は天台宗で青竜山延福寺と呼ばれていたが、北条時頼の命令により臨済宗に改宗したが過日は松島寺と通称された。
1605年伊達政宗が堂宇建設に力を注ぎ1609年本堂が完成し伊達家の菩提寺として栄えた。
妙心寺派下寺院帳によれば最盛期には塔頭22ヵ寺、末寺50ヵ寺をかかえる大寺であったと言う。
国宝の本堂は方丈建築で桁行13間・梁間右側面9間、左側面8間の大規模な建築で豪華な桃山様式を示している。
同じく国宝の庫裏は正面の柱束・白壁による構成と上部の唐草彫刻で装飾した
また道路を隔てて建つ重要文化財の五大堂は日本三景の一つで松島海岸縁にあり周囲の景観に溶け込んでいる、厨子に納まる五大明王像は円仁自彫と伝承があるが定かではない(非公開)。 「松島やさてまつしまや松島や」 江戸時代後期の狂歌師・田原坊の作
境内には伊達正宗の手植えとされる臥龍梅が案内されている、また最近の作ではあるが各仏像の特徴を見せた彫刻が配置されており仏像観賞のビギナーには参考になろう。
臨済宗妙心寺派 所在地 宮城県宮城郡松島町 п@ 022-354-2023
主な文化財
○本堂 桁行13間梁間9間 入母屋造 本瓦葺 桃山時代
○庫裏 桁行25,1m梁間17,6m 切妻造 本瓦葺 桃山時代
○廊下 桁行玄関2間 東廊下6間 中廊下11間 西廊下2間 梁間1間 入母屋造 本瓦葺 桃山時代
●五大堂 (五大明王は拝観否)桁行梁間3間 宝形造 本瓦葺 桃山時代(蟇股に12支彫刻)
●中門 四脚門 切妻造 宝形造 柿葺 桃山時代
●御成門 一間薬医門 入母屋造 本瓦葺 桃山時代
●本堂障壁画 161面の内 紙本金地著色
*孔雀間 松孔雀画 4面襖貼り付け 各207,0:191,5cm
*鷹間 鷲鳥画 4面面襖貼り付け 各207,0:191,5cm
*文王間 文王呂尚図 4面 襖貼り付け 各206,6:146,5p
●奥州御島頼賢碑
1307年
●雲版
●五大明王 木造彩色 不動明王 64.1p 降三世明王 92.1p 軍荼利明王 89.7p 大威徳明王 67.7p 金剛夜叉明王 91.1p 平安時代 五大堂 非公開
真言系では上記の不動明王・降三世明王・軍荼利明王・大威徳明王・金剛夜叉明王の五尊を言い特に平安時代以後には多大な信仰を集めた、また天台系では金剛夜叉明王に代わり鳥枢渋摩明王があてられる、五大明王全尊揃っているには東寺 ・大覚寺 ・醍醐寺 ・不退寺 ・宝山寺(奈良) ・定福寺(三重) ・瑞巌寺の七寺である 。
国宝の絵画に於いては東寺・醍醐寺 ・高野山(有志八幡講十八箇院) ・水無瀬神社(大阪)に存在し、重要文化財も数点存在する、また軍荼利明王は真言系では右手に金剛鈎を持ち天台系は羂索を持つ、また大威徳明王に於いては画かれる位置が真言系は画面側から右上、天台系は左下に画かれている。
新しく絵画で岐阜県大野町の来振寺で(絹本著色 不動明王 降三世明王 軍荼利明王 大威徳明王 鳥枢沙摩明王 140×88cm平安時代)が国宝指定を受けた。
寺 名 |
備 考 |
|||||
● 常福寺(三重) |
172,7p |
178,8p |
172,7p |
150,6p |
177,7p |
木造彩色 平安時代 |
● 瑞巌寺 |
64,1p |
92,1p |
89,7p |
67,7p |
91,1p |
同上 |
● 醍醐寺 |
86,3p |
122,3p |
125,8p |
80,3p |
116,7p |
同上 |
○ 教王護国寺 |
173,3p |
173,6p |
201,5p |
100,9p |
171,8p |
同上 明円作 |
● 大覚寺 |
50,9p |
67,5p |
69,3p |
58,1p |
69,6p |
同上 |
● 不退寺 |
85,7p |
154,7p |
157,0p |
99,0p |
150,5p |
同上 |
● 宝山寺(奈良) |
17、1p |
18,7p |
17,5p |
11,5p |
18,1p |
江戸時代 厨子入 |
注 常福寺は寺院公式サイト
絵画(五大尊像)
○来振寺 |
絹本著色 掛幅装 五幅 各140、0p×88、0p 不動 降三世 軍荼利 大威徳 鳥枢沙摩 |
平安時代 岐阜県大野町 |
絹本著色 掛幅装 五幅 各153,0cm×128,8cm 不動 降三世 軍荼利 大威徳 金剛夜叉 |
平安時代 |
|
○醍醐寺 |
絹本著色 掛幅装 五幅 各193,9cm×126,2cm 不動 降三世 軍荼利 大威徳 金剛夜叉 |
鎌倉時代 |
(五大明王各編で重複させてあります
最終加筆日2004年7月15日