エジプトの奴隷と言う量的に微少な存在であったユダヤ人が、ギリシャ ローマ神話の多神教の世界からモーセに率いられて信仰し始めたとされる一神教は、キリスト教
イスラーム教に継承され世界的に多大な影響力を示した、即ち旧来のひな形即ち
ユダヤ教を要約すれば神との契約即ち旧約聖書の内、心臓部に相当するト-ラー五書(注1)に書かれた人格神による命令(契約)に尽きる、政治、経済、法律、戒律、社会に於ける規範全てが神との契約とされる命令に端を発する、因みに旧約聖書はキリスト教側の呼称であり、イエスをキリスト即ち救世主と認めないユダヤ教徒に旧約聖書(Tanakh タナハ)と言う表現は無い、当然イエスが結んだとされる新しい契約即ち、「新約聖書(Novum Testamentum)」はユダヤでは認知されない。
多神教であるバアル(bāalu・注11)宗教からモーセ(ギリシャ語 Μωυσής、)により改宗したユダヤ教徒はセム的一神教の源泉であるが、数千年に及ぶ民族離散、即ちDiaspora(デイアスポラ)等、苦難の道を歩みながらユダヤ人と言う帰属意識(アイデンティティー・Identity)即ち宗教民族共同体を保持して完成された宗教である、この強烈な帰属意識から自覚に関係なく、他律的(独・Heteronomie・ヘテロノミー)道徳世界の中にある。 (セム語族圏の言語でアラビア語・ヘブライ語・アラム語・エチオピア諸語圏 アブラハムの子孫でノアの箱舟に乗った三名の息子 ・セム・ハム・ヤペテを言う)
当時世界最高峰に君臨したエジプトの哲学・文化を凌駕する必要があるが、ギリシャの奴隷から解放する為に民族を一致団結させる為に、預言者や衆生に対して理不尽とも思惟される苦難を架す過酷なヘブライズム(Hebraism)の神をもつ
旧約聖書の内特にトーラー五書と・ミシュナ(mishna、口伝律法・Torah she-bə‘al-Peh)・タルムード(注2 talmud)が中心ではあるが数千年の歴史を持ち、子供から大人に至るまでの生涯教育に於いて世界先駆けの民であった、因みにトーラーはモーセが書いたと言う伝承の為にモーセ五書とも言われているが、モーセが実在したと言う証拠は観られない、因みにモーセ五書とはヘブライ語(Ivrit)
ユダヤ教徒の認定は複雑であり正確な統計は困難であるが、現在ユダヤ人は推定で千三百万人とされ世界人口の0.2%程であるが、20世紀に於けるノーベル賞受賞者の数は・経済学65% ・医学23% ・物理学22% ・化学11% ・文学7%を占めると言われる、著名人を挙げればユダヤ法すなわちハラハー(注10)から離れた人もあるが・詩人のハインリッヒ.ハイネ ・経済や哲学のカール.マルクス ・音楽家のF メンデルスゾーン、ルービンシュタイン、 ・精神分析のジークムント.フロイト ・理論物理のアルベルト.アインシュタイン(albert einstein 1879年3月14日^1955年4月19日)・物理学のロバート.オッペンハイマ- (j.robert oppenheheier 1904年4月22日^1967年2月18日)・映画のチャールズ.チャップリン、(sir carles spencar chaplin ) チャールトン・ヘストン、(chariton heston) ・画家のcピサロ、マルク.シャガール ・政治家のKマルクス、 トロッキー、ヘンリー、.キッシンジャー等々がいる、またロイター、 ピュリッツア、 ロスチャイルド、 ロックフエラーなどもユダヤ系とされる、またユダヤから転向した人材にハイネ ハインリッヒ(Heine Heinrich)やカール マルクス(Karl Heinrich Marx, 1818年5月5日~1883年3
余談になるが厳しく勤勉さを要求される生活環境では優れた人材が生まれる様だ、すなわち同一地域に熱帯・寒帯・温帯・湿地帯・砂漠が存在すれば誠実・勤勉さを欠けば生きる事は出来ない為と言える。
紀元前1300年頃ユダを始めとする12のイスラエル民族は預言者(Nəbhī'īm ・ nevi'im, ネビーイーム)、モーセに率いられエヂプトを出てシナイ山に於いてモーセの仲介により十戒を授けられる、モーセの死後ヨシュアに率いられてカナン(現イスラエル・パレスチナ)の地に侵攻したことにはじまる。
経典宗教は聖書(ト-ラー)すなわち正典(Canon カノン)を持つ、正典とは公式に従う義務を課せられる基準文書をいう、因みに正典以外を外典と言う、聖書は繰り返し読み語られる、ユダヤ教の行事で、各家庭で行われる「過越祭の宴」に於いて旧約聖書の出エジプト記 十二章に記述されている話が必ず繰り返されている。
閑話休題、ヨシュアと言う名前はイエスと同名である、ユダヤ世界でイエスは一般に存在する名、即ちポピュラーネーム(popular name)である、ヘブライ語でヨシュア(イェーシュア)、ギリシャ語がイエス(イエスース)、英語がジーザース(Jesus)となる、要するにイエスもヨシュアも同名である、因みにマリアは英語圏ではメアリー、若しくはマリーとなる,当然の事であるがモーセの後継者であるヨシュアは「ナザレのイエス(キリスト教で言うイエスキリスト)注8」とは別人である。
ユダヤ人の書いた旧約聖書(新約聖書もユダヤ人による)は同じくセム的一神教すなわちキリスト教、イスラーム教の原点と言うよりも母胎である、特に初期のキリスト教はユダヤ教の分派であった、キリスト教の根幹とも言えるマタイの福音書等はユダヤ教の智識なしには理解は難しい、因みに一神教はユダヤ教が嚆矢ではなくBc世紀頃のエジプトに於ける太陽神アテン(Atenアトン)が最初とされている。
アヴラハムの宗教、即ちユダヤ教、キリスト教、イスラームの根底にあるのは万物は主による被造物(creature クリーチャー)にすぎない事にある、仏教の場合理屈から言えば釈尊に成る事は可能である、但しこれ等三教の場合は聖人と言えども神(the Creator)の被造物である。
ユダヤ人社会には宗教と言う単語は存在しなかった、ダト(dat 定め)と言う用語があるがペルシャ語のdātaの借用語である、長い歴史が育んだ行動原理、様式即ち全ての生活が宗教である、キリスト教の様に神を信ずる事によって信徒と認定されるのではなく旧約聖書、ミシュナ、タルムードに書かれている行動を厳密に行うのがユダヤ教徒とされる、従ってタルムードがユダヤ人の魂と言われる所以である、セム的一神教の中でユダヤ教の特徴は選民思想すなわち神に選ばれた民であると言うプライドである、現在は保守的な教会以外では入信が可能な様であるが、過日は限られた民族宗教であった。
ユダヤ教の最大の特徴として霊肉一体論であり肉体から離れた魂があると言う考えは無い、しかし後のキリスト教、特にカトリックに於いては予定説に対する方便として煉獄思想(注4)が考えだされた、予定説を四字熟語で言えば運否天賦とでも言うべきか。
そこでキリスト教ではギリシャ思想に影響された霊肉二元論が採用されて天国、地獄、を信ずる人々が出始めた。
ユダヤ教では最高教典のト-ラーとは旧約聖書の申命記までを言いミシュナ・タルムードと続く、ミシュナとはヘヴル語(ヘヴライ語)で紀元前200年頃に書かれたもので「繰り返し」と言う意味であり安息日・祝日・断食・婚姻・法律・等々が記されている。
ユダヤの戒律は十戒の他に五書内の613ミツヴァー(Taryag mitzvot)誡即ち食物、衣服、住居、等々の生活規範が記述されている、食物規制はレビ記⒒にヒレや鱗の無い水中動物、陸上動物ではヒズメは分れ反芻する動物以外は食してはならない、例を挙げればイカ、タコ、貝類、豚などが挙げられる、因みにTaryag(タルヤグ)とは613を意味し、mitzvotはヘブライ語で戒律を意味する。
研究を意味するタルムード(Talmud)は偉大なる研究と言う意味でもありでミシュナ(mishna)の解釈をめぐり律法学者やラビ達が長い年月を積み重ねて出来たものであるが未完成の形をとり各巻2頁目から始まり最後の1頁を余白としている、最初の頁はタルムードを読もうとするユダヤ教徒自身の経験などが書き込まれる様に構成されている。
紀元前のユダヤの有名なラビにヒレル・ザツカイ・アキバ等が存在した、特に*ヒレルは高い学識の持ち主で彼の言葉は神や隣人に対する愛など初期のキリスト教発祥の源とされている、イエス・キリストの言葉の多くは彼の言葉を引用したものが非常に多いと言われる、*ヨハナン ベン ザッカイは後進を育成しへヴライ語聖書を正典化した、*アキバは上記二人の薫陶を受け聖書解釈に優れておりトーラー五書の発展はアキバからと言われている、閑話休題、下述のモーセの十誡にある主の名であるが所謂旧約聖書にはYHWHと凡そ六千八百ヶ所の記述があると言われる(ユダヤ教の誕生。新井章三、講談社)。
絶対の神は一つでイエス自身には当時新しくキリスト教を起こす意思はなく(イエスはナザレ派即ち反パリサイ派・反律法学派であった)キリスト教発展の礎となったパウロ(ピエトロ)も同様ではなかったかと考えられる、因みに当時のユダヤ教には・サドカイ派・パリサイ派・エッセネ派・がリラヤ派・ナザレ派・サマリア派等が存在した、因みにイエスも十二使途(apostolos)も総てユダヤ人である、キリスト教はユダヤ教の異端(heterodoxy・ヘテロドキシー)からスタートしたと言える。 正統(orthodoxy・オーソドキシー)異端の場合は啓示、教義、信条を共有するが支配する教派では無く反主流派閥を言う。
ラビ達(教師 指導者)により語り継がれたタルムードはユダヤ教徒の魂であり生活規範書でもある、全20巻1万2千頁、250万語に及び重量は75キロと膨大な量になる。
ユダヤ教はアブラハムの子孫の為だけに存在する宗教でローカル宗教であると言う記述を見ることがある、しかしユダヤ教は特に排他性を持つわけではなく門戸は開かれているようだ、キリスト教やイスラーム教の様に世界的規模の宗教に拡大しなかったのは異教徒に対して隣人になる事を目指しても伝導布教・宣教活動を行わなかった事に原因があると考えられる、現在ユダヤ教は世界宗教即ちヒンズー教、儒教、佛教、神道等の宗教の多元主義を認知している様である。
ユダヤ教徒の宗教生活の中心となる場所にシナゴーグ(synagogue)(注12)がある、ギリシャ語のシュナゴゲー(集会所)を語源とする様である、キリスト教会はシナゴーグを参考にした場所であるが、役割範囲に相違が観られる、ユダヤ教会と呼称する人もあるが異質と見るのが正しい様である。
イスラームのラマダーンの原型にユダヤの祝日がある、ラマダーンほど著名でないが、ユダヤ教の場合は、ヨム・キプル(Jom ha-Kippurim)即ち「贖罪の日」がある、レビ記(旧約聖書モーセ五書の一書)に記述されている様で、ユダヤ教に於ける最大級の祝日にあたり期間は一日である、この日には飲食は無論の事、入浴、化粧や総ての労働を禁じられている。
一神教に於いて一日は日没から始まる、安息日(シャバット・sabbath)を例にとれば金曜日の日没から土曜日の日没までが充てられている、シャバットを厳格に守れば一切の労働を禁止されている、役所、レストラン、娯楽施設、公共交通は休日で、電燈をつける、火をつける、物を書く、デンワテレビのスイッチを押す、等々が禁止される。
ムスリムのユダヤ教等に対する怨嗟は日本教徒の創造を絶する、すなわち複数の聖職者が「ユダヤ教徒はアッルラーの敵であり猿や豚の子孫」と公的に述べている、宗教間の争いは絶えることは無い、ユダヤ教徒がキリスト教徒やムスリムに疎んじられるのは経済力にあろう、ナザレのイエスがパリサイ人や律法学者を口撃したはユダヤ教徒の小会派の一つで反パリサイ派としてである。
ユダヤ人の国イスラエル(israel)は1948年に建国されたが、語源は創世記32章28節に「汝の名は、もはやヤコブではない、以後イスラエルと呼ばれる‐‐‐‐‐」からきている。
ラビ・ユダヤ教と言う熟語がある、通常はユダヤ教と呼ばれる宗派で、エルサレム第二神殿崩壊以前はサドカイ派が主流であったが、神殿崩壊後はパリサイ派の時代となる、イエスもラビの一人であった様でユダヤ教の変種・異端であるとの説も言われる。
ラビ・ユダヤ教以外のユダヤ教はトーラーのみを聖典としてタルムードもラビの存在も否定する少数派(カライ派等)がある。
長いユダヤ教の歴史の中に宗派が起こるが、主な宗派を三派挙げれば以下の様になる。
*正統派、ハレーディー(Haredi)とも言い、伝統を尊重した厳しい宗派である。
*改革派(Reform Judaism)は19世紀にドイツに起こり、英国、アメリカ合衆国、を中心に起こる。
*保守派(Conservative)は、20世紀に起こり正統派と改革派の中間的な宗派である。
厳格な「規定」にカシュルートがあり、その内の食物規定コーシャ(Kosher)が厳しく、イスラームでもハラール(Halāl)として踏襲されている。
ユダヤ教では生活自体が儀式であり、新年は月例から採られローシュ・ハッシャーナー(Rō’š
hašŠānāh)と言われている、もう一つ重要な祭りに過越の祭り、贖罪の日があり9月中旬~10月中旬の間の一日がユダヤ教最大の休日と言える。
聖書の主(神)は苦難を齎す人格神で恐ろしい、預言者アブラハムに命じた最愛の一人息子のイサクを生贄(
タウヒード
自分がした行ないにしたがって、それと同じ報いを受けるように主は定めておられます。---」と記述がありイエスはこれを否定したが一神教の特徴かも知れない、因みに一神教の神は「ヘブライズムの神(Hebraism)」とも言い古来パレスチナに住んだヘブライ
セム的一神教・啓示宗教にはドグマ(doguma)即ち教義が必須である、神と人間とは善悪の基準は著しく違う、神の命令は絶体である、人間の善に反しても殺せと命令されても従わなければならない、これを人間社会では狂信と呼ぶ。
ユダヤ教には613の戒律があると言われる、食物規制はコーシャ(Kosher)と言い、レビ記(11)に記述があり、それを厳しく判断するのはラビによる。
コーシャを参考にしてイスラームのハラール(halal)作法が決められた様だ、但しイスラエルにも正統派と世俗派があり、テルアビブ (Tel Aviv) に豚骨でスープを摂ったチャーシュウ、ラーメンの店があり繁盛している店舗があるようだ。
注1, トーラー五書 旧約聖書39巻の内 1、創世記
2、出エヂプト記 3、レビ記 4、民数記 5、申命記までを言う、因みに旧約聖書は「罪と罰」の記録であると言う人も居る、因みにトーラー(Torah)とはヘブライ語であり、ギリシャ語ではノモス(法)、日本語では律法と訳される、またトーラーの基本思想にモーセ(Mōsēs・Moyses、ラテン語)の十誡(注3)がある(シナイ契約)。
伝承ではシナイ山に於いてモーセがyhwhから授かった教えとされる。
注2、 ミシュナ(mishna)ユダヤ教古代からの教えや決まりを口伝で伝えられたものでミシュナの解釈書・議論を集約したのがタルムードである。
タルムード(talmud)は1、農業 2、祭事 3、女性 4、法律 5、寺院 6、純潔・不純 で構成され、討論は生活上の規律(ハラカ)と哲学・歴史・神学など智に関する学問(アガタ)などがある。
注3、 十戒 旧約聖書の出エジプト記出エジプト記二十章第三節 ・申命記五章七節~二十一節に記述されているが、内容に相違も観られる、”シナイ契約”とも言われている、十戒は最も重要な事項でユダヤ教・キリスト教・イスラーム教の基本的な戒律で通称「モーセの十戒」とか「モーセ五書」と呼ばれている。
一戒・汝は私以外を神としてはならない。
二戒・汝は己の為に像を刻んではならない(偶像崇拝の否定)。
三戒・汝は神・主の名をみだりに唱えてはならない。 (マックス ヴェーバーに依れば神の名を唱えて呪・奇等に利用し人間の願を神に従わせる事を防ぐ意味合い)。
神の名はヤハウエであるが、直に呼称する事を恐れてヘブル語のドナイを複数形のアドナイ(わが主 adonay)と呼んだ、古い聖書には主を yhwhは約680回記述されている様だが、わが主を名前(yhwh ヤハウエ)で読む事は禁止されている。
四戒・安息日を憶えてこれを聖日とせよ。
五戒・汝の父母を敬え。
六戒・汝殺すなかれ。
七戒・汝姦淫するなかれ。
八戒・汝盗むなかれ。
九戒・汝偽証するなかれ。
十戒・汝の隣人の家をむさぼるなかれ。
(カトリックに於いては十字架のイエスやマリア崇拝が行われている、それでいて偶像崇拝を否定するが事実上は肯定している、2戒を切り取り、10戒めを「隣人の妻を欲してはならない」としている、日本に於いてはカトリックとプロテスタントの共同事業で「新共同訳聖書」を発行しているが、日本以外ではシナイ契約の破棄とも解釈できる別のベクトルが感じられる、またルーテル教会も二戒を削除して十戒目の項目を増やしている)。
1987年に初版が出された新共同訳聖書(The Bible, The New Interconfessional Translation)はキリスト教注6を参照してください。
佛教にも「十善戒」と言い一神教に於ける十戒の神の命令即ち1~4を除いた部分が共通した戒がある、①殺生しない ②盗みをしない ③性的に淫らな行為をしない ④嘘を付かない ⑤無意味な流行言葉を使わない ⑥悪口を言わない ⑦嘘をいわない ⑧貪らない ⑨愚痴らない妬み羨み怒りの心を捨てる ⑩愚かな考えをしない。
三戒の「汝は神・主の名をみだりに唱えてはならない」でYHWHを主との和訳であるが、英訳ではlord、ドイツ訳では herr、フランス訳は seigneurでいずれも主を意味している、因みにヤハウエの発音が正常でエホバは誤読である。
注4、 煉獄 バチカン(Curia Romana ローマ教皇庁)が考え出した思想で、いわゆる中二階、天国と地獄の中間に存在すると考えられている、煉獄はカトリックは正式教義に採用している、ギリシャ正教は救いの思想は容認するが正式な教義ではない、プロテスタントは聖書に記述がない因果説は否定している。
信仰・愛が不完全であるが地獄に落ちる罪も犯していない、魂は煉獄において苦・祈り・善行を行うことにより天国を目指すが所。予定説(神によるサルベージ(英 salvage)は行いに関係なく神が決定される)に対する方便で聖書には記述が無い、予定調和説のウイークポイントを補うもので仏教の因果律を取り入れている、予定調和についてセム的一神教の中でライプニッツ(Gottfried Wilhelm Leibniz) の予定調和が言われる、一言で言えば「人の命運は予め神により決められている」である、親鸞も唯円が師の命令に服従を誓った時、命令されても一人も殺害できない唯円に対して「前世から決まっている事」と説いた、前世を神に変換すれば「予定調和説(predestination cavinism カルヴィニズム)
注5、 ラビ へヴル語でラッツビー(rabbi)と記述される、原語は「師」即ちrabhから派生している、プロテスタントの牧師に近いが牧師・教師・ユダヤ人社会の指導者・宗教的指導者・宗教学者など広範囲な責務をもつ、カトリックの神父と違い聖職者ではない為に妻帯を認められる、ラビの長はラッバーン(rabban)と呼ばれる、解説書によってはラビとは”偉大な”と言う意味合いと言われる、ハラハー(注10(hălākhāh)のでもある。
古来よりユダヤ人社会では妻帯は必須義務に近い様である、独身者は非難の対象になると言う、イエスもユダヤ人である、十年近くなるが「ダ.ヴィンチ.コード」が話題になったが、最後の晩餐の絵画に於いてイエスの右隣は女性でありマグダラ.マリアと考えられる(山折哲雄 空海の企て 角川書店参照)、最後の晩餐に登場する十二使徒の氏名は、福音書によっても名前が微妙に異なる等、聖書に於いて創作された晩餐という説もある。
レオナルドダビンチの「最後の晩餐」では左から、バルトロマイ、小ヤコブ、アンドレ、ユダ、ペトロ、ヨハネ、トマス、大ヤコブ、フィリポ、マタイ、タダイ、シモンとなる。
注6、 創世記で神が天地萬物を創造した後に休息された安息日をへヴライ語でシャバット(Sabbath」)と言い、聖別された日であり人間の休日ではない、通常の仕事は無論のこと火を起こす事もタブーである、ユダヤ教が土曜日、キリスト教が日曜日、イスラーム教が金曜日である。
注7、 モーセ(ラテン語: Moyses)の後継者でユダヤ民族をカナンの地に導いたヨシュアとはヘブライ語で、ギリシャ式に発音するとイエスとなる、ユダヤ社会に於いてイエス、ヨシュアはポピュラーネームである、キリスト教のイエスとは同名で別人である、因みに英語読みはジーザース。 (Yahshúa) (Jesus)
注8、 ポピュラーネームの代表例を挙げれば、ピーター(英語)、ぺテル(ラテン語)、ペーター(ドイツ語)、ピヨトール(ロシア語)、ピエール(仏語)、である、余談ながら「アーメン」も然りと言う意味のヘブライ語である。
注9、 ヘブライ語の真理をemeth (エメト)אָמֵןと記述されると言う、ヘブライ語のアーメンの元意でアルファベットの三文字(アレフ、メム、タウ)の最初、真ん中、最後の文字を言う。
注10、 ハラハー (
hălākhāh)とはヘブル語に於ける概念用語で、Jewish law(ユダヤ法)とも呼ばれている、聖書に記述はないがタルムードの解説書にある、ユダヤ法規とも言えるものでラビの承認した事項.
注11、 バール教(ba‘alu) カナンを中心に崇められた嵐と慈雨の神でセム語では主を意味する。
注12、 ユダヤ教の会堂の呼称でるが、*ギリシャ語でシュナゴゲー(集会所)に*英語で synagogue、*ドイツ語でSynagoge、*オランダ語は Synagoge、*ハンガリー語: zsinagóga)となる。
注13、 アブラハムの宗教とは創世記五章・十章に依れば、アブラハムの子孫でノアの箱舟に乗った三名の息子、「セム」「ハム」「ヤペテ」、即ち三大民族の祖先となる、アブラハムの宗教即ち三宗教は「砂漠の一神教」「セム的(ユダヤ的)一神教」「聖書宗教」「啓典宗教」等々の呼び名がある、余談になるが聖書には女神に該当する書き込みは無い。
注14、 天使であるが人よりも優れているが「使者の長、卓越した使者」の意味であり主の領域に辿り着ける存在ではない、これは大天使(Archangel) ミカエルやガブリエルと謂えども例外ではない、因みに大天使ガブリエル(ジブリール・アラビア語 ヘブライ語・Gabhr・ガブリエール・英語Gabriel)とは旧約聖書のダニエル書に登場する天使で、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教では共通の天使である、最後の審判で死者を再生、マリアにイエスの受胎を告知している、キリスト教では天(主)からの加護で知られる天使長(天使の最高位)の*ミカエル(ヘブライ語 Mîḵā’ēl)、精神的癒しの *ラファエル(独
Raphael 英語
Raphael ヘブライ語 רפאל)と共に三大天使にカウントされる、聖典に記述が無く(聖書の外典に名前がある)カトリックでは否定するがユダヤ教ではウリエル( Ûrîʾēl)を加えて四大天使としている、脱線するが受胎告知の記述があるのはマタイ伝とルカ伝であるが詳細が異なる。
世界の宗教 ユダヤ教 キリスト教 古寺巡礼
最終加筆日 2004年10月18日 12月25日 2005年8月19日 2006年9月4日ミシュナ 2007年7月27日ローカル宗教 2012年10月4日注5 解説 2013年5月24日生活環境 2013年6月6日 各派13年8月7日 注8他 2016年3月22日 5月27日 7月12日 12月27日 2017年7月10日 11月1日 2018年1月14日 3月28 2019年1月4日 2021年7月10日 8月19日 9月13日加筆